日本語の本来の意味でなく、間違った意味が広まって、すっかり誤用の方が使われるようになっている言葉を、正誤それぞれ含めてご紹介。
誤用の中でも日本代表と言ってもよい、あまりにも間違った使われ方をしている言葉です。
故三波春夫氏が遺した言葉が元で、本来は、演者と聴衆の関係においてのことで、歌う時には神前で祈る時のように、お客様(聴衆)を神様と見て唄う、という趣旨の言葉でした。
ですので、販売店でのお客のことなどそもそも言ってもいないのに、勝手な解釈で、お店でこっちは神様だぞ、となんでも要求を聞かせようとするモンスターカスタマーが近年急増しています。
客なぞ、販売店からしてみたらただの金づるであって、それ以上でもそれ以下でもないのに、勝手に勘違いしている人が増えているとは嘆かわしいことです。
本来の意味は、不義理をしてしまった相手のため行きづらい、ということ。
それが、最近では、あの店は敷居が高い、というと、高級過ぎたり、上品過ぎて行きづらいという意味にされてしまっています。
今では半数以上の人がこの誤用の方で認識しているとのこと。
辞書では、漢文訓読に由来する語。すべくあらく(すべきであることの意)の約とされていて、ぜひともしなければならない、そうするべき、という意味ですが、最近の使われ方では、すべて、みんな、という意味で使われていることが多くなっています。
人間の心の奥深くにある感じやすい心情に触れて感動すること、感動を与えること、が本来の意味で、この言葉に悪い意味はないのですが、逆鱗に触れる、との混同でか、怒りを買うこと、という意味で誤用されることがあります。
物事の本質を捉えた見方をする、の意味で、悪い意味はない言葉ですが、相手を疑ってかかるような見方をする、という意味で誤用されることがあります。